角秀一ダイアリー

レインメイカー

なぜにあんな高いドロップキックが出来るのか?

失われた30年とも言われる日本プロレス界に彗星のごとく登場したオカダ・カズチカ。

タイガーマスク以来の衝撃なのだ。

時代は強烈なヒーローを欲している。スポーツ、芸能、政治。ヒーロー見たさに多くのファンが詰めかける。街頭パレードは最たるものだ。そこに消費行動が起き、束の間の好奇心が満たされていく。

金の雨が降る。「レインメイカー オカダカズチカ」が今を象徴している。

 

 

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその53≫

【64/横山秀夫/文芸春秋社】☆☆☆☆☆

「半落ち」「クライマーズハイ」など著書が後に名作映画となっていく社会派小説家・横山秀夫。直木賞との決別宣言をして以来、7年ぶりの大作を発表しました。当然の如く、各誌年間ランキングでは1位を独占。彼の評価と人気の高さが証明されました。

今作は、昭和64年に起きたD県警史上最悪の誘拐殺害事件を巡り、刑事部と警務部が全面戦争に突入。更に記者クラブとの軋轢に苦しみながら、主人公である広報担当三上は警察官としての真の矜持を持ち続けようとするのです。

読み始めは最近はやりの警察小説でしかないなあと思っていたのですが、後半3分の1を過ぎたところで遂に横山ワールド炸裂!瞬間電気に打たれたように背筋がピンと来ました。そこからは平成の松本清張と称される彼の世界に没頭していきました。