角秀一ダイアリー

作曲家・渡辺岳夫

1970年に放送されたTVドラマ「燃えよ剣」全26話をDVD(全7巻)で観終えました。
主人公は新選組副長・土方歳三。新選組結成から函館五稜郭まで懸命に走り抜けた男の物語です。
この司馬遼太郎の傑作は何度か映画やドラマになりましたが、この栗塚旭主演の「燃えよ剣」が一番です。
DVDの巻末には当時の俳優や監督が登場して制作秘話を話してくれます。40年経っているので、ドラマ出演当時は30歳の青年でも今は熟年の70歳。しかし当時の青春を語る彼らの言葉一つ一つには年月を超えたエネルギーを感じます。素晴らしい20歳代30歳代を過ごされたのでしょう。
20歳~30歳前半で日本の将来を変えていこうとした新選組隊士達の生き様が胸を打ちました。
「男はやるだけやって死ねばいいんだ」土方が函館に向かう前に語った一言です。
また、このドラマの音楽を担当したのが渡辺岳夫。彼の作り出す曲が臨場感を増します。初めて「燃えよ剣」で日本のドラマ史上初のストリングスを取り入れた作曲家です。彼は「巨人の星」「キャンディキャンディ」「魔法のマコちゃん」「キューティーハニー」「アタックNo.1」「アルプスの少女ハイジ」「原始少年リュウ」「天才バカボン」「機動戦士ガンダム」「ミュンヘンへの道」など多くのアニメ主題歌を作曲しています。すべてが名曲ではないですか!
現代のポップスにもロックにも多用されるストリングスアレンジ。彼が日本音楽シーンに与えた影響は計り知れない気がするのです。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその45≫
【鋼の魂ー僕僕先生ー/仁木英之著/新潮社】☆☆☆☆
舞台は唐の時代の中国大陸。奥地の湖に沈む宝を追ってやって来た仙人の僕僕先生一行。空飛ぶ女神、しゃべる馬、妖術を使う男など、お供が皆はちゃめちゃなキャラクター設定。でも正義の味方!群雄割拠の大小の国々が覇権を争う街で大騒動が展開されます。「孫悟空」「水戸黄門」「インディージョーンズ」を混ぜ合わせたような物語でした。