角秀一ダイアリー

チャンポン

寒い。
立春を越しても居座る寒気。降り続く雪。ハンドルを握りながら路面凍結の怖さを毎朝感じています。
身体を温めるために鍋やおでんなどを食べる機会が増えたのですが、この冬一番のお薦めはチャンポン味の鍋でした。豚肉、キャベツ、モヤシ、そしてイカが旨い。その名のごとく様々な出汁が混じり合っての美味です。お酒のチャンポンは悪酔いしますが、鍋出汁は絶品です。日々増えているラーメンの種類でもチャンポン味を多く見かけます。インスタントラーメンも即パック買いしていましました。夜食にすると受験生の気分です。
さあ、今度は心を熱くしましょう。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその39≫
【空飛ぶタイヤ/池井戸潤著/講談社】☆☆☆☆☆
今、熱くなりたい方に激プッシュです。
去年「下町ロケット」で直木賞を受賞した著者の最高傑作がこの小説。
運送会社社長の赤松は、自社トレーラーのタイヤ脱輪による死傷事故が原因で警察から執拗な捜査を受けます。家族も周囲から孤立し、仕事も激減しますが、社員の適切な整備を信じて事故の再調査を訴えます。一方、自動車メーカーの沢田は赤松の依頼を機に、常務の狩野を筆頭とした、リコール隠しのための秘密会議が社内に存在する事を知ります。そして系列の銀行では調査役の井崎が自動車メ-カーへの甘い稟議を求められていたのですが、事故への疑念から判断出来ずにいました。
「中小企業をなめんなよ!」という啖呵を切りながら、容疑者と目された運送会社の社長が家族と従業員を守るため、事故の真相に迫る果てなき試練と格闘の数か月。
ここ最近読んだ本の中では圧倒的に心を熱くさせてくれた一冊です。