角秀一ダイアリー

ロックンロールは止められない

6月9日は「ロックの日」です。
ROCKの定義は難しいのだけど、エレキギターとドラムがかき鳴らす音楽とか、騒々しいとかで決めるのは違うと思っています。新聞などで有名バンドのメンバーのニュースが取り上げられるとき、ロックバンドの○○などと書かれていると、?を感じることがありますね。本来はロックは権力への抵抗だなどという人もいますが、それも少し違うような。昔好きだったロックバンドの歌詞の日本語訳を読んで、その軟弱な詞に閉口したこともありました。僕も線引きが出来ないのですが、自らを突き上げる衝動を感じたら、それがロックということで。まあビートルズから聴いてみるのもいいかな。
ちなみに最近衝撃を受けた音は、アークティックモンキーズのニューアルバムに入っている「ライブラリー・ピクチャーズ」です。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその28≫
【ジェノサイド/高野和明/角川書店】☆☆☆☆☆
面白い!毎晩本を開くのが待ち遠しかった。amazonのカスタマーレビュー39人中36人が星5つというように、今大反響を呼んでいるエンター小説。今年のミステリー小説では上位にランクされるかも。
東京の薬学部に通う大学院生に突然亡くなった父から新たな薬を創れとの遺言が届きます。一方、アフリカコンゴに派遣されることになったアメリカの兵士にもあるミッションが届けられます。さらにワシントンではホワイトハウスの幹部達が国家存亡のための計画を内密に進めていました。それは突然変異で起きた人類の進化を阻止する戦いだったのです。公安当局から逃げのびながら東京の質素なアパートの一室で苦闘する学生、少数民族を守りながら戦闘が激化するコンゴの密林をさまよう兵士、そして権力渦巻くホワイトハウスの高官が密接に結びつきながら、敵か味方かわからない3者をジェットコースターのようなストーリーが展開していきます。著者は10年前傑作「13階段」を書いた高野和明。彼の最高傑作であるのみならず、近年のミステリー作品の中でも最高に楽しめる超弩級エンターテイメントでした。