角秀一ダイアリー

飛梅

極寒の1月を抜け出し、クリスマス以来の10度越え。
ビヨーンド・ザ・10°C!!!
日差しが懐かしいくらいに注いでくれています。

今は受験シーズンですよね。学問の神様・菅原道真を祀る太宰府天満宮の飛梅が今年も1月27日に開花したそうです。

東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ。

菅原道真が九州の大宰府に左遷されたときに詠んだ和歌とされています。飛梅は、このとき、一夜にして京都から道真のもとに飛んできた梅とされ、大宰府天満宮では本殿に向かって右前に今でも他の梅に先がけて最初に開花する白梅です。

さだまさしのアルバム「風見鶏」に「飛梅」という曲が収められています。この時期になると聞きたくなる一曲です。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその22≫
【錨を上げよ/百田尚樹/講談社】☆☆☆☆
年末書店に並んでいたこの分厚い本に惹かれて読んでみました。昭和30年大阪下町生まれ。その名は作田又三。彼が生まれてから32歳までの物語です。大阪・東京・北海道・タイを放浪するかのように生きた30年。生活は喧嘩、暴力、入学、退学、就職、退職、恋愛、失恋の繰り返し。なんという野性児なのだろうか。読んでいて反発と同情を繰り返しながら、彼の心の吐露と周囲の言葉が人生の矜持を導き出していきます。バイオレンスな骨太の男が最後のシーンで見せるセンチメンタルに泣けました。今年の「本屋大賞」ノミネート作品にもなっています。作者は「探偵ナイトスクープ」の構成作家です。上下巻合わせると広辞苑よりも厚い1200ページ。覚悟がいりますが満足度大でした。