角秀一ダイアリー

秋の映画と一冊

2年半前に「読まずに死ねるか」で紹介した「悪人」。絶対に映画にして欲しいと書きましたが、遂に映画化され公開されました。平日昼前というのに、映画館はほぼ満席でした。しかも9割が女性というあまり経験のない中で観て来ました(汗)。原作者の吉田修一さんが脚本を手がけただけあって、原作を損なわない作品に仕上がっています。特に樹木希林さんの演技には感動です。彼女の最後のシーンではあちこちからすすり泣きが聞こえてきました。もう一人、満島ひかりさんの演技もよかったです。かつてはダンスボーカルユニット「FOLDER」のメンバーでした。最近ではドラマ「ブラッディ・マンデイ」での狂気を演じた倉野理沙役も記憶に残ります。将来が楽しみな女優さんです。重いトーンで、メッセージがしっかり伝わる映画でした。傑作が揃った今年の邦画。日本アカデミー賞は混沌としてきたと思います。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑱≫
【聖の青春/大崎善生/講談社】☆超絶賛☆
秋なので、読書を楽しまれる方に僕の過去大傑作を今回からしばらく紹介します。
まずは、この作品。日本を代表する将棋棋士だった村山聖(さとし)は1998年、29歳で病死します。
この物語は死を間近にしながらも将棋に打ち込む壮絶な毎日を綴っています。最後の亡くなるシーンは泣けて泣けて仕方ありませんでした。そしてものすごい勇気をくれました。感動を与えてくれた本はたくさん読みましたが、この本は「大泣き編」ナンバーワンです。将棋を知らなくても全然平気です。ぜひ読んでみてください。