角秀一ダイアリー

SPRING HAS COME!

明日は立春。新しい季節の始まりです。
今年正月に届いた某レコード会社のメッセージにこんなことが書かれていました。

エレキギターが発明されて80年。
ロックンロールの歴史は、たったの50年。
レコードからCDへ。そして、音楽ファイルへ。
「音楽」をとりまく環境は、かつてないスピードで変化しています。
だけど、どんなに時代が変わろうとも、けっして変わらないものもあるはず。
音楽は、消費されるべきものではない。
美しいメロディに。本物のメッセージに。流行りすたりなんてないのですから。
次の世代にも、次の次の世代にも、ずっとずっと愛される音楽を。

新しい季節。今日も心に届く音楽を贈るよ。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑭≫
【1Q84/村上春樹著/新潮社】☆☆☆☆
べたな作品かもしれませんが、時間が経つにつれてじわりじわりしてきたもので・・・。
去年一番売れた小説。でも一番読まれたのかな?
もしかして、買ったけど読んでない人が多いんじゃないかな。
僕も、最初の読み始めで挫折してしまいました。
どこがおもしろいのだろう。そんな感想でした。
そして、時間を開けて読了したのですが、上巻の最後で「おやっ?」と感じ、下巻ラストでは「これはもしかしたら・・」と湧き出る感情が生まれたのです。
凄い恋愛小説ではないかと。
続編も出るということですが、もし、読まずに積んだままの方、無理して読み進んでみてください。

あけましておめでとうございます!

2010年があけました。
元旦の特別番組『ウル寅めでたい!ハッピー・トララジ』からお聴きいただきましてありがとうございます。おがっち、安来のおじ、MiKiちゃん、ゆうみちゃんと5時間の生放送で盛り上がりました。番組終了後はおじのギターでMiKi&ゆうみの歌い初めをしていましたよ。新?ユニットの誕生ですか??
今年も楽しい番組をお届けしていきますので、ぜひ番組にも参加してくださいね。

今年は寅年です。ここでトラのウンチクを。
トラの食欲は旺盛で、1日に自分の体重の5分の1にあたる37kgもの生肉を食べてしまうそうです。その割には狩りの成功率は低く、10回から20回ダッシュしてようやく1頭を仕留める程度。失敗した時の顔が見てみたいですね。
そんな彼らも仲間が激減していて、19世紀における生息数は約10万頭と推定され、20世紀に入ると3亜種が絶滅し1970年代における生息数は約5千頭にまで減っているそうです。これも人間の仕業なんですよ。
トラは一日に千里行って千里帰るとされるほどタフだと言われています。困難な時代であっても、政治経済社会から襲ってくるトラの穴の刺客に立ち向かっていける一年でありたいですね。

おくりびと

昨夜はマイケル・ジャクソンの追悼式が行われましたね。スティーヴィー・ワンダーやマライヤ・キャリーなどが歌うステージは、まさに音楽葬のようでした。僕はジョン・レノンが亡くなった時とは全然違う感覚を噛みしめています。ジョンの時は朝まで聴いていたほど悲しみにくれましたが、マイケルの死はひとつの時代が終わったような感慨にふけっています。たぶん「スリラー」は今までで一番聴いたアルバムであったし、友達と夜の街を「ウィ・アー・ザ・ワールド」を歌いながら歩いたことがとても懐かしく思い出されます。「ビート・イット」のヴァン・ヘイレンの姿も「スリラー」の特殊メイクも小林克也もみんな80年代の宝箱にしまってあります。なんと素敵な思い出を残してくれたことでしょう。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑬≫
【女神記/桐野夏生著/角川書店】☆☆☆☆
16歳で死んだわたし、闇の巫女ナミマは、黄泉の国の女王イザナミに出逢います。古事記を題材にした物語ですが、現代に通じる女性の怨念をさすが桐野夏生が怖~く描いてくれています。男神イザナキをこんなにも女性の敵にしちゃっていいの?男の嘘や裏切りに、殺しに怨み。神話と昼ドラが一緒になったようなゾクゾク感が味わえます。男性に不満が大ありの方、一読を!

グラムロックの復権

映画「20世紀少年」で最近よく耳にするようになったグラムロックの雄、T-REXの同名曲。もしリーダーのマーク・ボランが夭折しなければ世界の音楽シーンはどれほど変わっていたことだろう。彼とともに、グラムロックを確立したのがデヴィッド・ボウイ。60年代に颯爽とデビューし、80年代には「レッツ・ダンス」でエイティーズに溶け込み、映画「戦場のメリークリスマス」では俳優としての評価を得、世界中の女性の虜となります。「彼の顔の皮膚の薄さがいい」といった女性がいました。ほう、僕はカンナを頬にあてようかと思ったのだけど・・。そのデヴィッド・ボウイの69年発表の彼の原点と言われる名曲「スペース・オデッティ」がテレビドラマの宣伝スポットで流れているではありませんか。秋の新ドラマ「流星の絆」でした。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑫≫
【流星の絆/東野圭吾著/講談社】☆☆☆☆
ガリレオシリーズ最終章「容疑者Xの献身」が直木賞を受賞、映画も大ヒットしている東野圭吾。彼が今年発表した「流星の絆」も上半期売上ナンバーワンと絶好調です。両親を殺された3人の兄妹の復讐劇で、読者は最後に「えっ!」と絶句する展開です。これ以上言えません。徹夜本です。秋から始まるドラマは、3人の兄妹を二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香が演じ、脚本は宮藤官九郎という豪華さ。期待半分、不安半分、どうか原作に忠実であって欲しいと願います。

立つんだジョー

来週は敬老の日です。後期高齢者医療制度や介護など多くの問題がありますよね。映画「阿弥陀堂だより」を観ました。北林谷栄さんの演技さることながら、お年寄りが元気であること、明るいということがいかに社会に大切なことか思い知らされます。以前街で自転車に乗った元気なお年寄りを見かけましたが、彼が来ていたTシャツには「立て立て立つんだジョー」とプリントされていました。大好きです。そんなおじいちゃん。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑪≫
【のぼうの城/和田竜著/小学館】☆☆☆☆
本能寺の変から八年、天下統一目前の秀吉対小田原北条氏!石田三成率いる2万軍勢にたった2千人で城を守った男がいた。成田長親!頼りないほど優しく柔らかい武将で、領民からでさえ「でくのぼう」と呼ばれる彼がなぜ人々に愛されていたのか。個性豊かな登場人物とともに、人の器とは何かを教えてくれます。また、戦闘シーンは「ロード・オブ・ザ・リング」さながらのシーン連続で、一気に読ませてくれました。ハリウッド的戦国小説と称されているほどです。最近コミック化も映画化も決定した時代小説の傑作ですよ。

クライマーズ・ハイ

T・ジョイ出雲で映画「クライマーズ・ハイ」の試写会に行ってきました。10のスクリーンを持つこの映画館ですが、なんと観やすい会場でしょう。普段映画を観るとどうしてもお尻が痛くなって何度も足を組み替えたりしますが、2時間半の作品ながら一度も苦しくなることがないのです。しかもスクリーンに向かって急角度の座席。前の人の頭どころか、目の前にドーンとスクリーンが広がるので快適この上ない映画館でした。映画も今年を代表する傑作です。原作と同じ感動を味わえる作品が少ない中、これは大感動でした。ぜひ観てくださいね。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑩≫
【クライマーズハイ/横山秀夫著/文春文庫】☆☆☆☆☆
「半落ち」「動機」など平成の松本清張とも称される社会派作家の横山秀夫。この作品は現代パート:日本アルプスで息子の友人と登るロッククライミング、過去パート:85年夏の日航ジャンボ機墜落事故で騒然となる地元新聞社を交互に構成しながら主人公の葛藤を表わしています。まだ多くの作品を出していないのですが、僕は彼のすべての作品を読破しました。とくに、「半落ち」とこの作品は徹夜本になるほど夢中になった小説です。

J(S)W

先日、米子市内であったジュン・スカイ・ウォーカーズのライブに出かけました。ジュンスカ復活全国ツアー米子公演です。会場はもちろん超満員。中には初めてのライブハウスの人もいたようです。ジュンスカは山陰に7回来ています。一番最初はデビューしたての米子市公会堂。そして島根県民会館。クリスマスイブでは「白いクリスマス」を唄い、会場を出ると本当に真っ白い雪に覆われた松江市でした。島根大学学園祭の時は、午前6時に400人が並んでいました。僕は全部のライブを観ましたが、今回が一番良かったと思うのです。(行けなかった方ごめんなさい)
2度目のアンコール、最後の最後に呼人がピアノを弾き始め、ゆっくりと和也が「何もかも~♪」と唄い始めたデビュー曲「全部このままで」。会場を明るくし、皆で大合唱。会場にいたファンの心に去来したのは何だったのでしょうか。当時の思い出、そして明日からの元気だったはずです。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑨≫
【悪人/吉田修一著/朝日新聞社】☆☆☆☆☆
吉田修一は純文学作家であったはず。その彼がエンターテイメント、犯罪小説に挑戦した作品です。出会い系サイトで知り合った男と女。さらにもう一人の男と一人の女。メインとなる4人の男女と彼らを取り巻く家族や友人を精緻に表しながら、物語は殺人・逃亡・逮捕へとドラマチックに流れていきます。「嫌われ松子の一生」のようにヘビーですが、なにせ純文学作家、そこは素敵に綴っていくのです。これは絶対に映画にしたい作品でした!

スライドギターはかく語りき

親父が五十一歳の時生まれたので「五十一(いそいち)」と名づけられた孤高のシンガーソングライター。現在55歳。スライドギターの名手でブルース、カントリーロックから沖縄サウンドを歌い、今日本中を歌い歩いている。そんな彼をおとといまで知りませんでした。「聴きにおいでよ」という友人の誘いに出かけたのですが、まあ酔ってしまいました。夜の酒場での彼の深い深い音心に。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑧≫
【東京バンドワゴン/小路幸也著/集英社】☆☆☆☆☆
今年一番のお薦めです。東京下町の古本屋を営む79歳の家主をはじめ、息子で60歳金髪のロッカー、その子ども達、そのまた子供たちの4世代大家族の物語です。とにかく賑やか!現代版「寺内貫太郎一家」といいたい。これをテレビドラマにしなくて何をするというのか。しかもちょっとしたミステリーで、いろんな事件が起こる。それをこの大家族が解決するのである。

古代ロマン

スーパーの店頭に柿が並び始めた晩秋。心静かにとはいかず、好奇心をめちゃくちゃ刺激される場所を紹介しますね。若い人もたくさん集まる場所というのは街の活力に必ず結びつく。そんなことに思い当たりました。水木しげるロードしかり、石見銀山しかり。そして古代出雲歴史博物館。
先日出かけた歴博で、なんと20代の来館者が多いのだろうと驚きました。古代ロマンに浸りたい。それは入館した人のみが知る太古への憧憬です。確かにここは面白い。歴史を学びたいという衝動にびしびし突き動かせられるスポットでした。ぜひ行ってみてね。

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑦≫
【精霊の守り人/上橋菜穂子著/新潮文庫】☆☆☆☆
ということで一年振りの角でございます。読書の秋、古代ロマンに浸りたい人もぜひお読みください。映画「ロード・オブ・ザ・リング」が大好きな人には徹夜本です。
中世(多分)の架空の国を舞台に占い師や怪獣もどきに追われながら皇子を守る女用心棒がヒロイン。この本、児童文学の賞を獲得していますが、むしろ大人が読みたい本です。読者は10代から80代とのこと。1ページ目からワクワクさせてくれました。

おでんにリンゴ!

ひと目会ったその日から恋の花咲くこともある。見知らぬリンゴと見知らぬおでんが・・・。
テレビ番組でおでん特集をやっていたので試してみたところこれがウソー!結構おいしかった。おでん出汁にリンゴがよく染み込むまで煮込み、大根のように食べるわけ。各家庭いろんな具材を入れているでしょうが、一度試してみてね。
会社の同僚曰く、僕はリンゴを食べたほうがいいらしい。
しかも青リンゴ。かつて58センチだったウエストが今や
ミスター・メタボリック。メタボリックの皇帝。神の腹とまで称されるほどになり、何が宿っているのか不安な毎日なのです。こんなコピーも出るわけだ。
リンゴをかじると、ハラから脂肪が出ませんか?

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその⑥≫
【名もなき毒/宮部みゆき著/幻冬舎】☆☆☆
『模倣犯』『あかんべぇ』『ブレイブストーリー』など現代もの、時代もの、SFまで書いてしまう今やナンバーワン作家となった彼女の新作。もともとミステリー出身だったのですが、謎解きよりも人間ドラマに重きを置く作家として東野圭吾と双璧と言われています。今回は3年半ぶりの現代ミステリーでした。ただし僕の一番好きな彼女の作品は断然『蒲生邸事件』(文春文庫)です。