角秀一ダイアリー

ジョー・サンプル

アルバム「渚にて」を聴いた瞬間、それまで聴いていた音楽が180度変わったのです。

頭の中心にすとんと落ちてきたピアノの旋律。ジョー・サンプルとの出会いは衝撃的でした。

高校生だった僕は同級生からカセットテープを渡されます。

「渚にて」でした。

1曲目の「カーメル」の出だしを聴いた瞬間から違う世界にトリップしたような気分だったのです。

それからは、クルセイダーズ、ボブ・ジェームス、キース・ジャレットなどなどフュージョンの虜となり、学校帰りに喫茶店に寄り、立ち入ることを許された客のいない2階でレコードに針を落とす毎日でした。

9月12日、ジョー・サンプルが亡くなったというニュースを聞き、当時を思い出してしまいました。

「渚にて」は今でも大切な一枚です。

 

≪角秀一の読まずに死ねるかのコーナーその59≫

【十二国記シリーズ/小野不由美著/新潮社】☆☆☆☆

紛れもなく日本ファンタジーの頂点に君臨する作品です。

シリーズ累計750万部、しかも未だに未完、結末さえ見えない大作です。

古代中国を想定した異次元の世界に連れ出された日本の女子高校生中嶋陽子がたどる壮大なストーリーです。まだシーズン2を読み終えたばかりですが、もしかしたら読み終えるまで10年では終わらないような気もしています。