大坂愛ダイアリー

小だたら操業

日曜日、私は雲南市加茂文化ホールラメールで開かれた、「鉄のまほろばシンポジウム」でお仕事をしてきました。
「まほろば」とは、素晴らしい場所という意味の古い言葉です。
自分の暮らしている地域は、とても住み心地が良く大好きな場所ではありますが…
今回のシンポジウムでは本当に「まほろば」であると再認識、というよりも、新しく気づかされたといった方がいいかもしれません。
こういったシンポジウムや講演会などは敬遠しがちだし、ちょっと敷居が高く感じますが、言ってみるととっても分かり易く楽しいものです。自分の地域ではどんな講演会などがあるのかな?と調べてみるだけでも、地元で今どんなものが注目されていて、どんなことに力を入れているのか、見えてきて面白いです(^^)

さて、昨日のシンポジウムですが、
たたら製鉄が日本遺産になった記念に開催されたものでしたので、主役はたたら製鉄。
なんと屋外には「小だたら操業」といって、たたら場の出張操業をしておられました。
もちろん、おおきな炉(ろ)はもってこられませんので、レンガで組み立てた小だたらです。
職人さんが朝から操業され、シンポジウムの終わる頃には鉄の塊の鉧(ケラ)が完成している、という流れでした。

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これが、小だたらです。
これで出張たたらできるなんてすごいですよね!
レンガの上の煙突のような部分に炭、砂鉄、炭、砂鉄、と交互に入れていきます。
レンガの中は1200度に保たれ、砂鉄を焼いていきます。
そして、レンガのふたを職人さんが開けると~~
焼けた砂鉄から不純物が分離されて出てきます!

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すごーい!
見たことある光景!
しかもこんな間近でみられるなんて!

出てきたものは冷えると黒い塊になるのですが、他に用途はないそうです。
そして、見た目に反して意外ともろく、強く握るとパキンと折れてしまいます。

そして、11時~16時までかけて燃やし続け出来上がった鉄の塊がこちら。

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およそ2キロ!
ごつごつとした鉄のかたまりになっていました。
でも5時間かけてたったこれだけ。(小だたらというのもありますけど)
炉の前でずっとこの作業をし続ける職人さんはすごいですね。
砂鉄を入れるという作業だけでも体力使いますし。
いくら鉄を作るのには低い温度とはいえ…やっぱり熱さはすさまじいと思います。
これを三日三晩…。

こうした昔々から受け継がれてきたたたら製鉄。
もっと簡単に鉄を作り出すことのできる時代に、守り続け、丁寧に丁寧に作られているというのは
地元だけでなく、日本の宝。世界からみたって、素晴らしい歴史の宝だと思います。
見て感じて知って、今回のシンポジウムはたたら製鉄、またそれが存在する地域の未来を感じさせてくれる素晴らしいシンポジウムでした。