松江77.4MHz 浜田86.6MHz 邑智80.7MHz 大田82.1MHz 石見大和86.9MHz 隠岐82.7MHz 鳥取78.8MHz 羽須美87.3MHz 用瀬77.2MHz 智頭83.4MHz

おがっちのレトロ本舗 永遠のミーハー人間おがっちとシンガーソング100円ライター安来のおじが送る生放送

リクエスト&メッセージはこちらから おがっちのレトロ本舗 永遠のミーハー人間おがっちとシンガーソング100円ライター安来のおじが送る生放送

<<次の記事

前の記事>>

おがっちの島根学講座!みたいな!」2月9日

2018.02.09 Friday

投稿者:おがっち

地域が誇る、知る人ぞ知る、島根県内各地の魅力をご紹介するしまね学講座、今回は、やまきょんさんの担当で、古代歴史文化賞を受賞した本の話題です。

・「古代歴史文化賞」について。
島根県と奈良県、三重県など古代の歴史に縁の深い5つの県で共同でこの賞を設けて、毎年、表彰しています。

今年度で第5回目で、これまで、大賞が5冊、優秀賞が20冊、選ばれています。
その中から2冊を紹介します。

・今年度大賞作品、小畑弘己さんの「タネをまく縄文人」という本について。

私たちは、中学や高校の歴史で、縄文時代は狩猟の時代で、米づくりをはじめとする農耕は弥生時代から始まったと教わったと思いますが、近年の研究で、既に縄文時代には、
アワやひえ、麦などの耕作が始まっていたことがわかってきているそうです。
なぜかというと、縄文時代の土器に、コクゾウムシや穀物のタネの圧痕があるからだそうで、そうした研究について、わかりやすく書いてあるのがこの「タネをまく縄文人」という本です。

コクゾウムシというのは、黒くて体長が3〜4ミリ程度のムシで、昔はよく、米びつの中にいたそうです。
象の鼻のような長い口をもっている虫なので、漢字では、穀物の穀と動物の象という字で書かれます。
圧痕とは・・・例えば、土器を成形して、まだ土が柔らかいうちに足元に置くと、そこに落ちているタネや虫などが、底の部分にめり込みますよね。そのまま焼くと、めり込んだタネや虫の跡が、そのまま土器に残るのですが、そうした痕を圧痕というのだそうです。
その小さな圧痕を一つ一つ調べていくと、縄文時代や弥生時代の人々の身の回りにいた虫や種子の様子がわかるんだそうです。

著者の小畑さんの講演が、2月18日の午後にくにびきメッセであります。事前の申し込みが必要なので、県のHPで確認されるか、古代文化センターまでお問い合わせください。

・次にご紹介するのは、27年度に優秀作品賞に輝いた、山本淳子さんの「平安人の心で『源氏物語』を読む」という作品です。

源氏物語は、読みやすい現代語訳や、映画、漫画などもあって、今でも親しまれている古典作品ですよね。
書かれた当時、平安時代の文化や常識、人々の関心事などを知っていて、平安人の気持ちで読んでみると、もっと面白くなると思います。
例えば、源氏物語の書き出し、「桐壺」の帖では、「いずれの御時にか、女御、更衣あまた候ひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり・・・」
「いつのことか、たくさんの女御や更衣といった方が大勢いらっしゃる中で、さほど身分が高くないのに、帝の寵愛を独占した方がいた」といった内容で始まります。
以前は、帝の寵愛を独り占めした桐壺の更衣を他の女御たちが嫉妬して、いじわるな仕打ちでいじめぬいたと、普通に思っていました。
でも、平安時代の常識だと、「帝の一番重要な仕事は、結婚して、世継ぎをつくることであって、そのためには、きさきの実家の地位や父親の政治権力の順を重んじて、その順番で妃を寵愛しないといけなかった」だそうです。
帝に恋愛の自由などなくて、身分の低い家の出である桐壺の更衣一人が寵愛されるということは宮廷ではありえない、あってはいけないことだったそうです。

さらに、源氏物語が書かれたちょうどその頃に、ときの帝、一条天皇にまったく同じような純愛悲劇のようなことがあったそうです。
一条天皇は、実家が没落していた中宮定子を寵愛して、皇子まで誕生したけれど、定子は若くして亡くなってしまって・・・ということで、桐壺とそっくりで、源氏物語を読んだ当時の人にとっては衝撃だったと考えられるのだそうです。

他にも、興味深いお話が沢山紹介されていますので、どうぞ、読んでみてくださいね。


・今日の一曲
Jusqu’a Grand−pere/祈りのボレロ

次回は2月23日の放送です。

http://www.fm-sanin.co.jp/retoro/index.php?e=1416
おがっちの島根歴史学講座!みたいな! 07:37 PM comments (x) trackback (x)

<<次の記事

前の記事>>

ページトップへ戻る